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男はつらいよ・お帰り寅さん

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「ただいま」
このひと言のために
旅に出る。

 

 

私、生まれも育ちも
東京葛飾柴又です。

 

姓は車、名は寅次郎。

 

人呼んで
フーテンの寅と発します。

あいつがしゃべれねえーてのは
あんたに惚れてるからなんだよ。

 

今度あの子に会ったら
こんな話しよう
あんな話もしよう
そう思ってウチを出るんだよ。

 

いざその子の前に座ると
ぜーんぶ忘れちゃうんだね
で、馬鹿みてーに
黙りこくってんだよ。

 

そんなてめえの姿が
なさけなくって、こー
涙がこぼれそうになるんだよ。

 

な、女に惚れてる
男の気持ちって
そういうもんなんだぞ。

 

人間はね、
理屈なんかじゃ動かねえんだよ。

 

今、幸せかい?

 

川が流れております。

 

たゆまず流れつづける
川をながめますと、何やら
わたくしの心まで
洗い流される気がしてまいります。

 

そうして、いつしか
思いおこされるのは
わたくしのガキの頃でございます。

 

わたくしは川のほとりで生まれ
川をながめながら
育ったのでございます。

 

祭から祭への
しがない旅の道すがら
きれいな川の流れに出会いますと
ふと足をとめ、柄にもなく
もの悲しい気分になって
川をながめてしまうのは
そのせいかもしれません。

 

今頃、故郷に残した
わたくしの肉親たち
たったひとりの妹さくら
その夫の博、息子の満男
おいちゃん、おばちゃんたちは
どうしているのでございましょうか。

 

そうです、わたくしの
生まれ故郷ともうしますのは
東京は葛飾柴又
江戸川のほとりでございます。

 

俺には、むずかしいことは
よく分からないけどね
あんた幸せになってくれりゃ
いいと思ってるよ。

 

桜が咲いております。

 

懐かしい葛飾の桜が
今年も咲いております。

 

思い起こせば二十前
つまらねぇことで親爺と大喧嘩
頭を血の出るほどブン殴られて
そのまんまプイッと
家をおん出て、もう一生
帰らねぇ覚悟でおりましたものの
花の咲く頃になると
きまって思い出すのは故郷のこと。

 

ガキの時分、鼻垂れ仲間を相手に
あばれ回った水元公園や
江戸川の土手や、
帝釈様の境内のことでございました。

 

上等、上等
あったかい味噌汁さえありゃ充分よ。
あとはおしんこと
海苔とタラコ一腹ね
辛子のきいた納豆、これにはね
生ねぎを細かく刻んで
たっぷり入れてくれよ
あとは塩昆布に
生卵でもそえてくれりゃ
もう何もいらねえよ、おばちゃん。

 

例えば、夜汽車の中
いくらも乗っちゃいねえ
その客もみんな寝ちまって
なぜか俺一人いつまでたっても
眠れねえ……

 

真っ暗な窓ガラスに
ホッベタくっつけて
じっと外を眺めているとよ
遠くに灯りがポツンポツン……

 

あ−、あんな所にも
人が暮らしているんだなあ……

 

汽笛がポーツ、ポーツ、ピーツ。

 

そんな時よ、そんな時
なんだかわけもなく悲しくなって
涙がポロポロと出たりするのよ。

 

そういうことってあるだろう
おいちゃん。

 

働くってのはな、博みたいに
女房のため子供のために
額に汗して
真黒な手して
働く人達のことをいうんだよ。

 

青年、女に振られた時は
じっと耐えて
一言も口を利かず
黙って背中を見せて去るのが
男というものじゃないか。

 

泣きな。

 

いくらでも
気のすむまで
泣いたらいいんだよ。

 

どこにいたって、愛がありゃあ
天国なんじゃないの?

 

そういうもんだよ。

 

何と言うかな
あー生まれてきてよかった。

 

そう思うことが何べんかあるだろう。
そのために人間生きてんじゃねえか?

 

青年、行け!

 

寂しさなんてのはなぁ
歩いているうちに
風が吹き飛ばしてくれらぁ。

 

たった一度のの人生を
どうしてそう粗末にしちまったんだ。

 

お前は何の為に生きてきたんだ。

 

なに?

 

てめえのことを棚に上げてる?

 

当たり前じゃねえか。

 

そうしなきゃこんなこと言えるか?

 

俺はな、学問つうもんがないから
上手い事は言えねえけれども
博がいつか俺に
こう言ってくれたぞ。

 

自分を醜いと知った人間は
決してもう、醜くねえって。

 

思っているだけで
何もしないんじゃな
愛してないのと同じなんだよ。

 

愛してるんだったら
態度で示せよ。

 

それを言っちゃ御仕舞よ。

 

日本の男は
そんなこと言わないよ。

 

ナニ!?大学じゃ恋愛を
教えてくれなかったって?

 

しょうがねぇ男だなぁ。

 

まあ俺がめんどうみるか。

 

真実と事実っていうのは
同じ意味じゃないんだよ。

 

この違いが分かってこそ
心は鍛えられるんだぞ。

 

お前
遠山の金四郎を知らないの?

 

ほう、驚いた。

 

裁判官になるっていう男が
あんな偉い男を。

 

大丈夫だよ、まだ若いんだし
これからいい事
いっぱい待ってるよ、な。

 

天国も地獄もあの世じゃなくて
この世にあるのさ。

 

だから、天使も悪魔も
この世にいるってことさ。

 

賢い人だから
そんな素振りは見せずに
ニコニコしていたけどな。

 

でも心なしかその笑顔が
寂しそうだったな。

 

花に例えれば風に吹かれる
うす紫のコスモスみたいな人さ。

 

うれしいときは空を見ろ。

 

悲しいときも空を見ろ。

 

空は何でもお見通しよ。

 

やっぱり、地道な暮らしは
無理だったよ、さくら。

 

俺、昔から馬鹿だったもんなあ。

 

心を開けば傷ついちゃうけど
運も同時に開けるってもんよ。

 

例えば、日暮れ時
農家のアゼ道を
一人で歩いていると考えてごらん。

 

庭先にりんどうの花が
こぼれるばかりに咲き乱れている
農家の茶の間。

 

灯りがあかあかとついて
父親と母親がいて子供がいて
賑やかに夕飯を食べている。

 

これが本当の人間の生活と
いうものじゃないかね、君。

 

兄ちゃんは恋をしたんじゃねえ
ただあの人が幸せになればいいな。

 

そう願っただけよ。

 

五年十年たって、いい年して
身寄りもなく頼りもなく
ケツ温める家もなく
世間の者は相手にしてくれねぇ。

 

その時になって
俺は馬鹿だったなと後悔しても
もう取り返しがつかねえんだぞ。

 

いいか、人間額に汗して
油まみれで地道に働いて
暮らさなきゃいけねぇ。

 

そこに早く気がつかにゃいけねえんだ。

 

失敗して落ち込んだら二度と
同じ失敗をしないで済むだろ?

 

だから、もう同じ失敗は
しないからよかった
って喜べばいいんだ。

 

用心しなくちゃいけないのは、
成功したときだ。

 

調子に乗ると人間
ロクなことがないからな。

 

約束は破っても
人を悲しませることがないもの。

 

破っても注意されるだけで
済むことだ。

 

でも、掟は破ると人が悲しむ。

 

だから命をかけて守らなきゃ
ならないものなんだよ。

 

約束と掟、これを上手に
使い分けることが大事なんだよ。

 

とどのつまり、品格と人格が
「一流」を創り出すのよ。

 

やれ!お前なら必ず出来る!

 

「こだわり」ってものがよぅ
商品を「本物」にするのよ。

 

理解するんじゃなくて
腑に落とさなきゃ。

 

腑に落ちれば忘れやしねぇ。

 

いいか
『いざ鎌倉』っていうのは
命がけのときに使う言葉なんだよ。

 

貧乏人ってものはな
一番つらくってさみしい時はよ
金持ちに札っ束で
頬っペタはたかれる時だぞ
金がねえんだよ。

 

インテリというのは
自分で考えすぎますからね。

 

そのうち、俺は何を
考えていたんだろうって
わかんなくなってくるんです。

 

つまり、このテレビの配線が
ガチャガチャに込みいっている
わけなんですよね。

 

ええ、その点私なんか
線が一本だけですから

 

空っぽといいましょうか…

 

今、自分がいる場所だけを
見るんじゃなくて
三歩進んだ世界や
五歩下がった世界も
見るってことだよ。

 

そうすると、人生、
どう生きていくかが見えるだろ。

 

そうよ、仕事ってのはね
何をしても楽なものってのは
ないんだよ、うん。

 

勝ちゃあ個性派と言われるけれど
負けりゃあ、ただの我がままよ。

 

拝啓、車寅次郎様。

 

おじさん、ぼくはこの頃
おじさんに似てきたと言われます。

 

言う人は悪口のつもりなんだけど
ぼくには、それが悪口に
聞こえないのです。

 

おじさんは、他人の哀しみや
寂しさをよく理解できる
人間なんだ。

 

その点において
ぼくはおじさんが好きだからです。

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